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ミリオンダラーベイビー実話?その意味や解説にオチ!光と影の感動作

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ミリオンダラーベイビー実話?その意味や解説にオチ!光と影の感動作

クリント・イーストウッドが監督・主演を務めた2005年日本公開映画「ミリオンダラー・ベイビー」

“尊厳死”という難しいテーマを題材に描かれ、公開当時様々な賛否両論が巻き起こりました。

正直好き嫌いが大きく分かれる作品と言えるかもしれません。でも心に深く突き刺さり、様々な事を考えさせられる作品になっています。

生きていれば誰にでも訪れる“死”、みなさんはどんな最期を迎えたいか考えた事はありますか?

普段敬遠しがちな難しいテーマですが、この作品を通して1度考えてみてはいかがでしょうか。

今回は世界中に衝撃を与えた「ミリオンダラー・ベイビー」の原作や解説などをご紹介致します。

ミリオンダラーベイビーの実話部分ってどこ?

「ミリオンダラー・ベイビー」と検索すると“実話”というワードが出てきますが、この作品は2000年に発表されたF.X・トゥール(本名:ジェリー・ボイド)の短編集「Rope Burns:Stories From the Corner」を元に、ポール・ハギスが脚本を手掛けました。

ope Burns:Stories From the Corner

映画の原作となった短編集を執筆したジェリー・ボイドは1930年カリフォルニア生まれ。

海軍除隊後メキシコに渡り闘牛士を目指したり、バーで働いたりと様々な事をするも長く続かず、私生活はで3度の結婚と離婚を繰り返しました。

ジェリーの人生は挫折の繰り返しでしたが、“ノックアウト”されても何度も立ち上がるボクサーから人生を学ぶ事を決断。

49歳という年齢でボクシングジムに入団しました。その道はとても険しく試合に出る事さえ厳しいものでしたが、毎日必死にトレーニング。

ジェリーの姿を見ていたトレーナーのダブ・ハントリーは彼のトレーナーとしてサポート。

何年もの月日をかけて深い絆で結ばれたジェリーとダブは、「ボクサー」としての夢から「トレーナーとして世界一を目指す」というものに変化。

左目の視力を失ったダブをジェリーはサポート。

2人で1人の最強トレーナーが誕生し、後に世界タイトルに輝く選手を育て上げるまでに至ったのです。

ダブ

そんな彼らの人生をジェリーは短編集にして出版しました。

「ミリオンダラー・ベイビー」はフィクションですが、実話を元に作られた作品です。

ジェリーは2002年9月12日に72歳で他界。

ミリオンダラー・ベイビー

映画を観ることは出来ませんでしたが、ダブと2人で奇跡を起こした様に「ミリオンダラー・ベイビー」の大ヒットで再び奇跡を起こしました。

挫折の連続だったジェリーの人生はダブとの出会いで大きく変わった事が分かりますよね。

映画はとっても悲しいストーリーですが、実は熱い男の友情を元に作られた作品だったのです。

そう分かると作品に対するイメージが少し変わる気がします。ぜひジェリーの人生と映画の違いに注目してご覧ください。

ミリオンダラーベイビーの本当の意味とは?アカデミーで絶賛

「ミリオンダラー・ベイビー」この作品のタイトルには様々な意味が込められていると思います。

主人公マギーは貧しい家庭で育ち、現在もウェイトレスで生計を立てる日々。

ヒラリー

相変わらず生活は苦しかったものの「プロボクサーになる」という夢を持ち続け、トレーニングに励んでいました。

そんなマギーはかつてカットマンとして活躍していたジムのオーナーフランキーに出会い、彼がトレーナーになる事で才能を開花。

フランキー

「基本を教えたら好きなだけ100万ドル稼げ」というフランキーの言葉通り、次々に試合に勝ち続け賞金を手にします。

まさに映画の題名通りのストーリーですよね。

ところがWBA女子ウェルター級チャンピオン「青い熊」ことビリーとの試合が、マギーの人生を大きく狂わせます。

ヒラリー

100万ドル“ミリオンダラー”を掛けたビッグ・マッチが、大きなターニングポイントになってしまうのです。

そしてその後は悲しい結末を迎えますが、どんな時もフランキーはマギーの側を離れず支え続けました。

マギーは家族との縁が希薄でしたが、フランキーもまた実の娘とは音信不通。

家族に恵まれない2人がボクシングを通して深い絆で結ばれていき、いつしかトレーナーと選手では無くそれ以上の関係に変化。

フランキー

フランキーにとってマギーの存在は女性としてとかその様なものでは無く、人間としてとても深く愛していたのではないかと思います。

まさに100万ドルの価値以上に大切なかけがえのない存在。そんなフランキーのマギーに対する想いがタイトルに込められているのではないでしょうか?

ミリオンダラーを稼ぎだすマギー、ミリオンダラーをかけた試合で人生が大きく変わってしまったマギー、そしてフランキーにとってミリオンダラー以上の価値がある女性と出会えた事、これらの意味が詰まったこの作品のタイトル。

ストーリーが進む度に作品の雰囲気がガラリと変わりますので、ぜひその点に注目してご覧頂きたいと思います。

ミリオンダラーベイビーの解説!光と影の意外な展開とは?

この作品は前半と後半で雰囲気が大きく異なります。

私は公開当時“貧しい環境で暮らす女性のサクセスストーリー”という認識で観ていました。

でも中盤からあまりにも衝撃的な展開と何とも言えないラストに、崖から突き落とされた様な感覚を覚え観終わった後しばらく呆然としてしまった記憶があります。

そんな衝撃的な展開を知った上でご覧頂けば冷静に作品に向き合えると思いますが、初めての方は少し覚悟が必要かもしれません。

フランキー「ミリオンダラー・ベイビー」の主演と共に監督を務めたクリント・イーストウッドは、本作品が25番目の監督作品。

映画ではかなり低予算の3000万ドルで製作され、撮影期間はたった37日間でした。しかし完成度の高さや異質性が高く評価され、全米で1億ドルの興行収入を記録。

第77回アカデミー賞ではマーティン・スコセッシ監督の「アビエイター」と巨匠対決を果たし、作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞の主要4部門に輝きました。

主演を務めたヒラリー・スワンクのボクシングシーンは見事で、まるで本物のボクサーを見ている様な感覚に襲われますが、彼女は元々運動神経がとっても高く 水泳ではジュニア・オリンピックの選考会に参加する程の実力の持ち主。

見事に鍛え抜かれた筋肉は同じ女性からみても見とれてしまいます。

ヒラリー

ヒラリーは本作品に出演する為に約3ヶ月間 世界チャンピオンを輩出したトレーナー ヘクター・ロカの元でトレーニングを重ね撮影に挑みました。

そしてなんと“青い熊”役のオランダ出身女子ボクサー ルシア・ライカと実践さながらのスパーリングを重ねたそうです。

ご覧いただいた方は“青い熊”の名前を目にしただけで血圧が上がってしまいますよね。私もあまりの理不尽さに強い憤りを覚えましたが、“青い熊”はあくまでも映画の役柄。

ルシア・ライカに何の罪もありませんが、ヒラリーと一緒にトレーニングをしていたなんて意外でした。

でもルシアはプロボクサーなので、彼女から様々な事を学んだからこそ臨場感あふれるボクシングシーンに仕上がったのかもしれませんね。

まだ一度もご覧になっていない方は元娼婦のボクサー“青い熊”にご注目ください。

ミリオンダラーベイビーのオチ!死を望むマギーの姿を見て苦しむフランキー

この作品ではマギーの最期は描かれているものの、フランキーは姿を消したという事だけで彼が一体どうなったのかは描かれていません。

観た人によってその解釈が委ねられますが、彼が持ち出したアドレナリンの数に注目。フランキーの手には2つのアドレナリンの瓶が握り締められていました。

その事から想像すると、彼は自らの命を絶ったのではないでしょうか。

死を望むマギーの姿を見て苦しむフランキー。

ヒラリー

いても立ってもいられず神父さんの元へ相談に行きますが、「神は忘れなさい。天国と地獄も忘れなさい。手を貸せば君は自分を見失ってしまう。深い淵に落ち永遠に自分を取り戻す事が出来ない」という言葉をかけられます。

フランキーの姿を長年見てきた神父さんだからこそ、彼が辿る運命が分かったのかもしれません。

「神を忘れなさい。」なんて神父さんらしからぬ言葉ですが、何だか妙に心に突き刺さりました。

マギーが大好きだった本物のレモンパイのお店“アイラのロードサイド食堂”を買い取り、訪れるお客さんを眺めながらマギーの事を思い出すというフランキーのハッピーエンドはやはりあり得ないのでしょうか。

お互い信頼し合い、強い絆で結ばれたマギーとフランキー。

フランキー

もちろんこの作品はフィクションですが、辛さや苦しみから解放され、天国で満面の笑みを浮かべる2人の姿を願ってやみません。

みなさんは「ミリオンダラー・ベイビー」のラストのその後をどの様に想像されますか?

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ミリオンダラーベイビー実話?その意味や解説にオチのまとめ

少佐アイコン2005年日本公開映画「ミリオンダラー・ベイビー」についてご紹介させて頂きました。

この作品で描かれている光と影のテーマは、クリント・イーストウッド監督ならでの長年の経験から人の心の推移を知り尽くした眼力で描いたものです。

ヒラリー・スワンクやクリント・イーストウッド、モーガン・フリーマンの演技は、アカデミー賞を受賞するだけはあるなと思わず唸ってしまう出来栄えです。

人によってはとても重く感じてしまうかもしれませんし、わかりやすいハッピーエンドではなく、どちらかというとヨーロッパ映画寄りの描き方が特徴ですが、だからこそよりリアルな人生像をご覧頂けるはずです。

心に響く名セリフも沢山登場しますので、ぜひ一度ご覧頂きたいと思います。

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